筑摩選書から「100のモノが語る世界の歴史」(ニール・マクレガー)という本が出ている。大英博物館に所蔵されている世界中から集められたモノ(石器からクレジットカードまで100アイテム)で、数百万年にわたる世界(人類・文化・文明)の歴史を語ろうというもの。全3冊。考古資料あり、美術品あり。紙あり、石あり、金属あり。また、その採取地もほぼ世界中に広がっていて、人あるところに文化あり、的な認識を新たにしてくれる。
もちろん、数百万年もの歴史をたった100個の“モノ”で語ろうというのだから、抜け落ちる事柄もたくさんあるだろう。だけど、“モノ”に歴史を語らせると方法を定めることで得られる視点、改めて発見できる事柄・認識も多いのではないか。方法論ばかりが先行するのも、“いかがなものか?”ではあるが、歴史を見つめ直す際の1つの方法であることは間違いない。
周年倶楽部的には、「この手法は社史編纂にも参考になるよ」でもあるとともに、「モノは残しておくと意外と役に立つ」という点もちょっと強調しておきたい。そんな場所がどこにある!?、という反論もまことにごもっともではあるのだが…。
それにしてもよく集めたものだ。恐るべし大英博物館。いろんな意味で“すごい”。