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“周年史の宝庫” 神奈川県立川崎図書館の活用術 ①

「制作の参考にしたいので他企業の周年史をもっと見たい」。企業の編纂ご担当者から、私たち制作サイドへ、こういったご要望をいただいた経験があります。そんな時は、神奈川県立川崎図書館に行かれることをおすすめしています。これまでも、周年倶楽部で取り上げた川崎図書館ですが、どのように活用するのが良いか、担当司書の方にお話を聞いてきました。(全2回で今回は1回目です)

所蔵する周年史は日本屈指の約2万冊

ご存知の方もおられるかと思いますが、企業や団体が周年の節目に発行する社史・記念誌(以降、総称して周年史)は、関係者のみに配布されることが多く、一般に流通することはほとんどありません。ここ川崎図書館は会社・経済団体・労働組合の周年史を約2万冊所蔵し、“周年史の宝庫”とも呼べる貴重な存在です。2018年5月、川崎市川崎区で約60年開館していた建物から、高津区のかながわサイエンスパーク(KSP)内に移転しました。

「社史コーナーも広くなり、『調べ物がしやすくなった』と来館者の方にも好評です」と話すのは、社史コーナーを担当する企画情報課長で、社史に関する著書もある司書の高田高史さん。

豊富な知識から、企業の社史編纂担当者ばかりでなく、制作会社からも一目を置かれる、周年史業界の情報通です。「ここを訪れていただくのは、編纂プロジェクトが動き出した頃が良いかと思います。まず、早めに色々な周年史を“めくる”ことから始めてみてはどうでしょう」とアドバイスをいただきました。「気に入った周年史の“編集後記”には必ず目を通していただきたいです。編纂担当者の視点で、編集で気を配ったことや、編纂のプロセスなどが書かれています」。数多くの周年史を知る高田さんの言葉は、編集者である私とっても参考になります。

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高田高史さん
1969年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科修了。司書として神奈川県庁に入庁し、現在は神奈川県立川崎図書館に勤務。著書は『図書館で調べる』(ちくまプリマー新書)、『社史の図書館と司書の物語』(柏書房)など。奈良まほろばソムリエの資格を持つ。

ポイントは「編纂方針のヒント」を見つけること


約2万冊の蔵書の内、約1万4000冊は開架コーナーにあり、残りは書庫に保管されています。開架コーナーはもちろん、書庫の周年史も企業名やタイトルを司書の方に伝えると閲覧することができます。

周年史の編纂工程では、早期段階で「誰に、どのように、何を伝えるか」を決める必要があります。この編纂方針に相応しい仕様や見せ方が重要となり、近年は、重厚な周年史ばかりでなく、ブランドブック、社員向けツール、小説タイプなど、多様な形態の周年史が発行されています。高田さんいわく「手に取らせるための工夫や読ませるためのアイデアが感じられますよ」とのこと。どういった企業がどのような周年史をつくっているか、参考資料が多い川崎図書館であれば、ヒントを探し出せるはずです。

ヒントが見つからないときは、司書に相談してみるのも

「“特色ある社史を見せてほしい”とのご要望をいただければ、イメージをおうかがいしながら、書庫の蔵書も含めて、司書がピックアップすることもできますよ」と高田さん。参考になりそうな周年史が見つかった場合、借りてみることをおすすめします。開架棚の大部分の社史は貸出できるそうです。参考となる周年史を持ち帰り、実物を見ながら社内で検討できれば、編纂方針も固まりやすいですね。

次回

これまで訪れた方にも、遠方のため川崎図書館を訪れるのが難しい方にも知っていただきたい「便利な使い方」をご紹介します。

<2020年8月現在は通常通り開館していますが、ご来館の前に図書館ホームページで開館状況をご確認ください>
神奈川県立川崎図書館ホームページ

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人見真紀
Writer 人見真紀

(株)エトレ入社後、大学のPR誌、大学公式HP管理・運営、企業の広報誌の編集・企画を経験した後、周年史の企画・編集を担当。現在、東京周年事業室勤務。

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