とある研究者のお話から気づかされたこと
先日、ある医療分野の研究において、国内の第一人者である先生と打合せをしてきました。
先生とお会いする度に、資料や歴史に対する研究者の態度にいつも感銘を受けるのですが、こんな話しがありました。
原稿の打合せをしている際に、パラケルスス(1493-1541、本名テオフラトゥス・B・フォン・ホーエンハイム)という、有名なスイスの医学者・化学者であり錬金術師の話になりました。
ある本にその名の由来は、「古代ローマの名医ケルススに、ギリシア語の『パラ(越える)』を加えたもので、スーパー名医を自称した』というような一文がありました。先生にお伝えすると、「当時はラテン語が中心になっていたから、ここでいうパラは、ラテン語の『パラ(準ずる)』を加えたもので、ケルススに尊敬の念をいだいていたと考えるのが妥当では」というご意見でした。
前者と後者では、後世に伝わる人物像が、尊大な人、謙虚な人と、全く異なります。大げさですが、言葉の捉え方一つで歴史は変わる。その思いを常にもって歴史に対峙しなきゃと、改めて気づかされました。
それにしても何だか恐いような面白いような。。。