資料目録作成の国際標準の概要と歴史と実例を紹介するセミナーを受講して感じたこと
アーカイブの整理にある4原則は、アーカイブそのものが歴史を表現しているとみているのではないか、だから元の形をできるだけ残そうとするのではないか。
一方図書館は、たとえ何かの専門図書館といっても、資料ごとに何か有機的なつながりのようなものはなく、そういう意味で資料群に歴史を見るというような考え方をしないのではないか、などということを考えているころに、あるセミナーを受講することができました。
それはアーカイブでの資料目録作成の国際標準の概要と歴史と実例を紹介するものでした。私はそのセミナーを聞いてやっとアーカイブでの資料整理の原則の背景にある考え方をおぼろげながら理解できたように思いました。そういう意味で、このセミナーは大変有益なものになりました。間違っているところもあるかもしれませんが、私が理解したことを述べてみたいと思います。
私が感じた限りでは、4原則の背後にある考え方はおおきくは間違ってはいませんでしたが、少し違うところがありました。アーカイブそのものが歴史であるため、元の形を残すというよりも、そのアーカイブを扱っていた人が検索の手がかりにしていたものを、検索の手がかりにするという考え方が重要なように思いました。過去の人が手がかりにしていたものを手がかりにするというのはかなりやっかいな、手の込んだやり方ですが、アーカイブというのは、時間的に大変長い間隔で考えなくてはなりません。今都合がいい検索や分類方法も時間の経過とともに色々なものが変わっていきます。この時間経過にも耐えられる分類や検索方法を研究し、今のところ一番有効と落ち着いているのがこの結論なのだと思います。そのために出所原則、原秩序保存原則などが生まれてきたということだと思いました。
アーカイブというものを考える際には、検索や分類という一見時間とは無縁に見える要素にも時間という条件が深く係わっていることを感じさせたセミナーでした。