アーカイブには資料整理の4原則というのがあります。
私は大学で司書の資格を取り、国立民族学博物館の図書館でアルバイトではあるが、図書の整理に携わった経験がありました。そのため、会社での社史資料の整理では、図書館の知識を応用しました。具体的に言うと、会社資料を分類するのに10進分類法をつかいました。
会社の資料を大きく10に分類し、その中をまた10に分類するという形で細分化していきました。資料は、国立民族学博物館の梅棹忠夫初代館長の名著『知的生産の技術』に書かれてある、“単位化”を意識して、できるだけ細分化して同じ形でファイルし、その一つ一つに10進分類法の番号をふっていったのです。整理は図書館と同じ、番号の若い順から並べていき、それをデータベースソフト(具体的にはファイルメーカー)に入力し、検索できるようにしたのでした。
しかし、アーカイブを少しずつ勉強してみると、図書館の整理に対する考え方とずいぶん違うことがわかってきました。アーカイブには資料整理の4原則というのがあります。
1.出所原則
2.原秩序尊重の原則
3.原形保存の原則
4.記録の原則
1.出所原則というのは、ひとつの出所からの資料は他の出所からの資料と混合してはいけないというもの。 2.原秩序尊重の原則というのは、その資料がもっている原秩序を残すように努めるというもの。 3.原形保存の原則というのは、その資料の物理的原形をむやみに変更しないというもの。 4.記録の原則というのは、どうしてもこれらの原則が必要に応じて守れなかった場合、施した処置を記録しておくというもの。これらのほかに、安全性の原則や可逆性の原則などもあります。これらのことを全く知らずに、会社資料を整理していたのでした。(その2に続く)