大阪府中之島図書館で開催された「みんなで選ぶ社史グランプリ」を覗いてきました。5部門にそれぞれノミネートされた周年史からグランプリを投票で選ぶというイベントです。趣旨はよくわかりませんが、社史をテーマにした催しは大層珍しく、そのなかにエトレが企画や制作に関わった社史が展示されていることもあって、足を運んだ次第です。
それぞれボリュームのある社史を端から手にとって眺めるだけでも結構体力が要るものです。しかし日頃これだけの社史に一度に出会うことはありませんから、良い機会をいただきました。社史の編集に携わる立場の人間からすると、それぞれの社史の構造が素通しで目に入ってきますし、力の入れどころがわかります。発行者の意図なのか、編集者の冒険なのか、何故こうなったのか・・・など、勝手に想像をたくましくすることが多いのです。
経験的に言うと、社史はできあがった時点から安堵とともに自戒の日々が始まります。より至高なるものへ、と言えば大袈裟ですが、あくまで編集者の思いこみです。もっとああしておけば、こうすればよかったと粗が見え出すのです。しかしそうした目に見えない思いをまといながらも、この日立派に社史が勢揃いしていたことに、妙な感慨を覚えました。
さて、社史見物の帰りに、淀屋橋のレトロビルとして有名な芝川ビルのビヤガーデンに行きました。高層ビルの中にぽつんとある低層屋上のビヤガーデンは都市の空押しのようなスペースです。世の中は周年の事物でできている・・・歴史の酒に酔いました。