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社是・社訓⑲~カワニシホールディングス

独立自尊の精神「カワニシ社員憲章」

医療器材商社のカワニシホールディングス(岡山市)には社是とも言える「カワニシ社員憲章」がある。カワニシは創業者の寺岡清照が、1921年に岡山市で設立した川西器械店がルーツという医療器材商社のパイオニアだ。社員憲章は創業者が退いた1985年に始まったCI (コーポレート・アイデンテティ)活動がきっかけだった。新しい時代の企業理念や行動規範が求められるようになった。社員全員が参加して深夜まで激しい意見が交わされた。この作業の中から社員憲章の案文が起草され、企業理念として4項目にまとめ、明文化した。

一、事業会社の社会的意義
・広く国家・社会的視野において公益性を高め、国民医療の品質向上とコスト合理化に寄与することを志す。
・ 人材の育成・教育を通じて、事業の有益性を増進し、業界のレベル向上と近代化に寄与することを志す。
・ 臨床・基礎両面にわたる医療の発展と顧客の経営能力向上への貢献を志す。
・ サービスの高度化・事業の多角的展開をはかり、雇用の創造・拡大と、事業の継続発展を志す。
・ 公徳心(公序良俗に反しない心)を保持する。
二、組織のあり方と主体性
・ 社会的コストへのフリーライディングの上に、事業の繁栄を求めない。
・ 政・官の保護を求めず、フェアな競争と取引を旨とする。
・ 国家・社会に対し、レベルを超えた保護を求めない。すなわち、事業及び成員個人の保全は、これを自らの責任において果たすことを心がける。
三、事業の成長と発展
・ 弱者の定義をいたずらに拡大しない。
・ 競争の一時的勝利に安住しない。競争による成果は、新たな社会(経済)的価値の創造のために再投資されなければならない。
・ わが組織メンバーは、「未来に対する傲慢」ではなく、「未来に対する謙虚」を基本的スタンスとしなければならない。
四、組織メンバーのあり方とその成長
・ わが組織は基本的に、組織メンバーに対する育成義務を負うが、それはあくまで、メンバー自体に自発的かつ主体的な成長意志があることを前提とする。
・ 私たちは、「成長の放棄」はすなわち「生きる資格の放棄」に等しい、との視点に立つ。
・ 社員は原則として、自らの成長のために「舞台」を選ぶ権利を持つ、そして、組織は、これを提供する義務を負う。

企業を発展させるのは、人の力であることを強調しながらも、「成長の放棄」をしたフリーライディングは許さない。独立自尊の精神が貫かれている。社内の「ビジネススクール」では、社員憲章を土台にした人材教育が行われ、年2回のグループ全社員が集まる全社ミーティングでも経営トップのスピーチで必ず説かれ、全員が改めて確認する場になっている。

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斎藤 治​
Writer 斎藤 治​

1954年青森県弘前市生まれ。'79年慶応大学商学部を卒業し、読売新聞大阪本社入社。広島支局(現広島総局)、姫路支局勤務を経て,'82年大阪本社社会部、'85年政経部(現経済部)、'88年東京本社経済部(重工業クラブ、建設省、通産省担当)、'91年大阪本社政経部(金融、機械、財界などを担当)、'98年経済部次長、2001年調査研究室(現論説・調査研究室)研究員、2007年同主任研究員、2012年6月記事審査部委員、2014年9月退職。現在、フリージャーナリスト。白鷹堂代表。

大阪大学大学院(国際公共政策研究科)、関西学院大商学部、武庫川女子大などで非常勤講師。読売新聞大阪本社で長期連載した「技あり関西」取材班として2006年坂田記念ジャーナリズム賞を受賞。関西日本香港協会理事、同華人研究部長。2003年から始まった華人経営塾「チャイニーズ・マネージメント&マーケティング・スクール」のモデレーターを務めている。共著に「日中韓の戦後メディア史」(藤原書店)、「時代の車窓から見た中小企業」(晃洋書房)、「時代の証言者売新聞社)など。

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