周年史を数多く所蔵する図書館として有名な神奈川県立川崎図書館をご存知でしょうか。ここで「社史フェア」が開催されると聞き、勉強を兼ねていってきました。
フェアで展示されていたのは、2014年1月から12月までに刊行し、川崎図書館に寄贈された約200点。「ヤクルト」「オリックス」「大正製薬」「日活」など、各業界を牽引してきた企業をはじめ、地方のモノづくりを支える会社まで、あらゆる企業の周年誌が並んでいました。それぞれ社史の構成が多彩で、編年で重要社史をまとめた硬派なものや、社員の寄稿文で全編制作された超力作など、個性ある社史が揃う貴重な機会ですね。編集者として幅広い社史の方向性を勉強する良い機会になりました。
もっと社史の編集方法を知りたい、参考事例となる社史を読んでみたいという気持ちは、社史編纂をご担当される方も同じではないでしょうか。
社史編纂に携わる方から、「他の企業がどういった周年史を作っているのか、よく知らないので」という話をお聞きします。企業本として出版前提に制作される周年史も、近年増えつつありますが、発行された周年史の多くは、書店に並ぶことはありません。“いざ制作”となったとき、参考事例の少なさに頭を悩ませるご担当者が多いのです。
フェアは2015年6月27日に終了しましたが、国内屈指の所蔵数を誇る蔵書が開架されていて、Webから目当ての蔵書を検索することもできます。今回、はじめての訪問でしたが、また参考事例を探しに行きたいと思います。社史編纂ご担当者にもおすすめしたいですね。